労務相談・トラブル対策

労働時間や休暇に関しては、給与額にも関係して日常生活に多大な影響を与えますので相談が多いケースです。
正社員の場合、法律で定められた1日8時間・1週40時間の労働時間で済めば、労働時間の問題はないと考えられます。しかし、上司の命令であったり、取引先の納期などに追われたりで長時間労働が行われていることが多くあります。
長時間労働により睡眠時間の削減を余儀なくされると、従業員の健康に影響を及ぼし、最悪の事態を考えると過労死に及ぶこともあります。
また残業分の給与を支払わずサービス残業をさせていれば、法令違反として訴えられるリスクもあります。

　従業員の待遇に関しては、生活にも関わってくるので相談ケースが多いです。会社を辞めるというのは、従業員から見れば生活の糧を失うことになります。よって、解雇をすることは従業員から会社への不満を招くことになり、逆に従業員から会社を辞めるというのは、多かれ少なかれ会社に不満があるということです。
また日本企業の正社員の場合、配置転換がよく行われるので、従業員の事情によるトラブルが発生しやすくなります。
特に転勤は住居の移転を伴うことになるので、家族の職場や学校をどうするかにも影響してきます。従業員の個人的事業には、よく耳を傾けて対応することが重要になってきます。

職場での嫌がらせやハラスメントは、そこの職場で働く従業員の不安材料になると考えられます。
そのことで従業員の精神疾患や退職が発生してしまうこともあります。
近年では自殺に発展するケースもありますので、慎重に対応する必要があります。

労働基準法などの労務関係の法令を遵守することが大事です。トラブルになった時に会社側が不利になることはもちろんですし、国が法令違反に厳しくなってきているので、労働基準監督署などから厳しい処分を受ける可能性があります。

懲戒処分や解雇は、就業規則に「正当な理由がなく無断欠勤が14日以上におよぶとき」などと列挙された場合にしか行うことはできません。きちんと就業規則に記載しないと会社が不利な状況になってしまいます。
ただし、就業規則や雇用契約書に法令違反の記載をしても無効になりますので、その点には留意が必要です。
例えば、残業代の割増率は25％以上でなければいけませんが、就業規則に15％と定めた場合は、その部分は無効となり25％に修正されてしまいます。
また、就業規則の変更により労働者が不利になる場合は、労働者の同意が必要になります。

労災事故が起きた時など、労働基準監督署の調査に対応する際、証拠を改ざんしたり組織的な隠ぺいをしたりすると、書類送検など厳しいペナルティを受けることになります。
労働時間の過少申告のため、従業員にタイムカードを早めに打刻させる行為も、証拠の改ざんになってしまいまので、注意が必要です。近年は労働時間に関しては、一段と厳しくなってきていますので、万が一のトラブルが発生しないように、労働時間の管理は正確に行う必要があります。